「お前さま…」
息も絶え絶えで、これ以上我慢出来そうにない。
「もう」
だけど貴方は意地悪そうな笑顔を浮かべるだけで。
「もう何だ?」
わかっているくせにそうやって聞いてくるなんて、私はっ!
沸き上がる快感に耐えられ無くて、凄くはしたないことを考えてしまう。
「お願いですから…早く…」
「それではわからん。しっかりと言うてみろ。」
―ですから・・・気を・・・やってくださいませ
「はて、気とはなんのことかな?具体的にいうてみろといっておろう」
羞恥心が私を襲う。
だけど今この人は私を辱めて楽しむつもりだということなど私自身が百も承知していた。すでに何度か肌を合わせる関係になった私達はお互いの趣向を感じ取っていたから、時に貴方はこうやって、わざと恥ずかしいことを私にいわそうしたりする。
最初は気をくださいといえば許してくれたのに、最近はもっとちゃんといわないと駄目になり、仕舞いには羞恥心すらも捨てろと暗に命令するのだ。
「だんなさま!」
急に呼び方を変えて泣きながら頼んでもただただちゃんと言えというだけで。
「後生ですから…!」
涙がポロポロとまた零れる。
・・・れてくださいな・・・
なにか言ったか?
おねがいですから、挿れて…くださいまし…
何をかな?
どうにか頼んだというのに、それに応じる気配もみせず悪戯っぽくうれしそうな顔を浮かべながら、私の足の間から見上げる貴方。思わずその視線を反らそうとするが旦那様はそれを許さない。
人に頼むときは目を見ろと言われ無かったのか?
この人は要所要所に釘を刺すのだから質が悪い。・・・でも。
もう我慢できないから。その言葉を口に出して言う。
「旦那様の○○○○を挿れてください」と。
あまりの自分の台詞に頭がくらくらしてくる。もうなにかがぷつんと切れてしまいそうだった。だから次に掛けられた貴方の言葉は、私の理性をめちゃめちゃに崩すには十分な代物だった。
「どこに挿れて欲しいんだ?そこまできちんと言ってみるんだ。」
半分正気を失っていた私の最後の砦を壊すベく、ゆっくりと耳元で言い聞かすように・・・
こうして私は、完全に操り人形のような、もぬけの殻になってしまいました。
「旦那様の○○○○を、私の○○○に、挿れてくださいませ・・・」
「ちゃんと言えるではないか。」
なにか聞こえる、遠くから・・・。すでに自分が何を言っているのかわからない。
「褒美だ。たんと可愛がってやるぞ・・・」
急くように感じたことは、ああ、早く挿れて!ということだけだった。
そしてようやく私に”それ”が挿しこまれて、とたん私は歓喜した。生き返ったようにからだの悦ぶまま貴方の”それ”を離さないように動く。
・・・自分と貴方が一つの管で連結している。しっかりと自分の中にうずめられた”それ”の感覚は、初めて繋がった時のように異物感を排除しようとす るものではなく、貴方から養分を吸い出そうと締め付ける愛おしい思慕に近かった。目の前の人と高みへ上り詰める為に私のからだは全身の感覚を開放して、粘 膜の接触が円滑に行われるようにからだの奥から水をとめどなく湧かせた。
私はあなたの為に尽きることなく湧き続ける水場。その水場で歓喜に身を包まれ耐えること無く水音を立てるあなた。激しく波間を打ち付け、そのたびに水のうねりも大きくなる。やがてどうしようもないくらい大きな渦を作り、そのまま私たちは抗うこともせず引き込まれていった。
あんっ・・・あぁ・・・
意識とからだが分離して自分の声が他人のように聞こえる。そのくせあなたが私に締め付けられて途切れることなく排出している切ない吐息だけはリアルに感じられた。
ああっ!だんなさまっ!!
一際鋭い突きが子宮口まで短い間隔で出し入れされた時、そのまま私は達した。あまりの興奮と刺激に思わず我を失ってあなたの名を呼び、背中をこれでもかと弓なりにして痙攣すると、そのまま私は果てた。
しかしあなたはまだ極みへ上り詰めていないようで、達した私のからだの中に残ったまま動き続けている。
いやぁ・・・っ ・・・!
達したばかりのからだは更なる動きに否応なく翻弄されてもう無茶苦茶な反応しか返せない。下半身から突き抜ける気持ち良さに意識が飛び掛かり、それを留めようとあなたの背中へ回した手はそこへ爪を立てた。
数十秒置きに何度達しただろうか。ようやくあなたもぶるりと身を奮わせて私へと折り重なった。
・・・まだ私の粘膜は波打ち、重なったあなたの胸の上下も納まらない。だけど私たちはそれがおさまるまで情事の余韻を楽しむ。いつの間に付けられた痣、全身から噴出した汗、そして交じりあったあなたと私から出された白い粘液・・・
ふと左手の中指でわたしのそこからそれを掬いとり、あなたは自分の口へと入れる。そして口移しで、私の口内へとそれを流し込んだ。
・・・あま苦い味。まるでわたしとあなたを足して二で割ったような・・・。
擦れた声が耳元に響きあなたはそっと教えてくれた。
-これをエゲレスではLOVEJUICEというんだ
-愛しあって出来る飲物だからLOVEJUICE
凄く淫靡な言葉なのになんて素敵な響きなのだろう...
-もっと飲むか?
その問いに、私は素直に頷いて。
再びあなたとのLOVEJUICEを飲む為に、作成活動を開始し始めた。