ピロートーク#ヒューズ×グレイシア

眼鏡を掛けた貴方も素敵だけれど眼鏡を外した貴方も素敵よ。
ただ眼鏡を外したら愛しいお前がよく見えなくなるのが難点なんだよな。
あら、だったらよく見える距離まで近付けばいいじゃない?
おいおい誘ってるのか?グレイシアちゃんは…
どうかしら、試しにその目でよく見てみたらどう?
そうかい、それじゃよーく見てみる事にするよ。

そう答えて額を軽くぶつけしばし目を合わせる。鼻息が掛かる程の距離まで顔を寄せ、それでも最後の砦だけは守ったまま。

こんなに近くじゃよく見えないわ。
確かにそうだが…もう目をつぶった方が返ってよく見えるかも知れないな…

―んっ!

唇が触れ合って思わず啄み合う。本当は早く絡ませたいのに、わざと焦らすように言葉の応酬を楽しむ二人。
甘い時間まで先はたっぷりあるのだから。

ねぇ、見てないでしょ?
こんなに見てるのに?
嘘付き。
嘘はツイてないさ。こうやってキスをすれば目をつぶってたってどんな顔してるかわかるんだぜ?
言い訳ばっかりね。本当はもうしたいだけなのに。
じゃあ試しにどんな顔してるか当てようか?

男はほんの僅かに悪戯っぽく笑うと再び唇を吸い、繋いだ手を相手の豊満な胸に押し当てた。
思わず声を漏らした彼女にまた口ずけて胸の頂点を指で軽く押してみせる。

今少しエッチな顔してる…あってる?
挑発の言葉、彼女はほんのり熱くなる。
ば…かぁん…!そんなのずるいわ!
別に何もしてないぜ?
したじゃない!スケベ!
よくわからんが、例えばこういうこと?

そう言って男は更に手の平を輪郭にそってじっくり丁寧に這わせてみせる。
ゆっくりねじるように回された親指は衣服の上から器用にも感度の中心を捕らえて外さない。

や…!
思わずビクリと背のラインをしならせ寄り掛かるように抱き着くグレイシアを笑いながら受け止める。
それでもくすぐるように掌の動きは止めない。
対してグレイシアは必死でマースの刺激に耐えてはいるが、
何百回もマースと馴染んだ身体は彼の”悪戯”に思うように反発できずどうしようもなく震え続けた。
確かに言葉の応酬は男が一見有利になっていた。
上手を取り延長戦へと持ち越さないように女のずばりを指摘して。

凄くしたいって顔してる…
必死に首を振ってみせてもいつにもなく真剣になった彼の表情に最後は許してしまおうかという気になってしまう。
極めつけに「俺はお前と凄くしたい…」と耳元で囁かれてしまったら。

相変わらず卑怯だと思う。こんなに素直に言われてしまったら拒めない。
それどころか早く貴方を受け入れたいと切に感じてしまう。
だからせめてもの抵抗で「馬鹿」とだけ呟き、ついにそのまま彼へと身も陥落してしまった。

首筋を這う彼のキスは上へ戻りながらも衣服を脱がせながら下へと移って行く。
対して彼は振り切れてゆくグレイシアの姿に痺れ、ううん…と頭を横に降るもどかしさに愛しさが込み上げて強く抱きしめたくなる。
薄く目を閉じ、時に悩ましく僅かにこちらをうかがうグレイシアの視線が堪らない。
彼にしてみれば彼女は可愛いくて優しくて気が強くてたまにキツイけれど美人でセクシーな女で…
感度も良好ときたらまるで文句の付けようがないのだ。

いつまでも愛してくれる君に感謝して端々にキスを贈る。
唇に、首筋に、手の甲に、胸元に、臍に、腿に、足に、濡れた秘密の場所に。
確かに存在するという揺るぎない証をこうして刻んで刻み続けて行きたいと思っていることに君は気付いているんだろうか?
確かに男だからエッチな願望が結構な割合を占めてたりするんだが、
その願望の発祥の理由がそれだってことを解っててくれたら嬉しいな。
お前にしか発動しないすけべな欲求、つまり俺はお前にぞっこんなんだって事、
もっと”し”ないと分かってもらえないか?
まぁ…喜んで何回でも俺は付き合うが。

下着を剥ぎ取って滑らかな臀部を掬うように持ち上げ、
その間を割りながら影の落ちた部分を草むらに近付けると静かにグレイシアは目を閉じた。
気配が一瞬緊迫し神聖な儀式をしているような錯覚に陥る。
たった一つの動作に慣れてるとはいえこんなにもドキドキするなんて反則だ。

んっ・・・

猫のように滑らかな背を突っ張らせ受け入れてくれるグレイシア。
一呼吸間を置いて繋がりが完了すると待ってましたとばかりに脚を絡み付かせてくる。
控目な振りしてグレイシアも結構積極的だったりするのがまた嬉しい。
そのうち喘いで自然と腰を動かす姿もなかなかなんだが、
それをからかったらきっと相手にされなくなっちゃうので俺の中だけの美味しい秘密。

どう?…もっと奥?
あん…そ、こ…って、いやぁ…!だめ!

毎度ながらわかりやすくて困る。
もっと俺を感じて欲しいから、駄目って言われても止めない。目がまるで嫌がってないから。
伏し目がちになりながらも甘えるように見上げるのはもしかして誘ってる?
あんまりそんな顔されたら…これだけじゃ足りないかも。
そんな自分事情を計算しつつも肘をつき身体の下にあるグレイシアを見下ろすと、グレイシアも腕を伸ばして答えてくれた。
汗ばんだ額から落ちる水分が枕を僅かに濡らし、愛されてるなと痛感すると
頭の後ろから不意に何かに圧迫され、ようやく俺の頭がグレイシアの胸元に捕われている状態に気が付いた。
まぁその、苦しいんだが、嬉しいわけで。
そこへはたまた暴走しちまいそうなコメントが。

こんな顔になっちゃうのはあなたのせいじゃない。責任取って…満足させて。

押さえ込まれた状態で一本取られて、ふっと愛する女の拘束から抜けたかと様子をうかがうと
バッチリ彼女と目が合ってしまった。そこで駄目押しの一言に俺はノックアウトされちまいました。

―そのままで来て

…やっぱり俺の負けだ。おねだりされると尽くしたくなっちまう。
お前が最上級に俺を感じてくれる瞬間が訪れてくれればそれで満足だから。

腰から送り込むように草むらの奥へ幾度と入り込み、
同時に繋がった場所よりもやや上部にある粒を探り出して軽く指の腹で撫でてやるとビクリと驚いたように圧力が強くなる。
刺激に慣れさせないよう焦らしつつ結合の深さを深め早さに強弱を付けると「もっと…」という急かしが入り、
要望に答えるべくラストスパートに入る。
感じる恥骨奥の壁一点に集中して表の突起への攻撃は止める。
中でクライマックスを感じたいというリクエストにお答えして。
乱れ飛んで呻きに似た嬌声は近い印、表情すら思い通りにならず悶える姿に今夜最大の風速で追い撃ちを掛け、
自分もリミッターを外し…。

ひゃぅん…はぁんん…っ!
引き付けるようなかつてない圧迫とちょっと甲高い絶頂の声。待ち望んだ昇り詰めた瞬間。
俺も我慢できずに出してしまった。
その、久々中で放出して、俺のものだと独占欲が満たされる自身の”情けないほど惚れ込んでる”状態に苦笑しそうにもなるが…
結果的には脱力して達成感を猛烈に感じる幸せの「コト」の後。

「責任とれた?」
「充分取ってもらったわ…」
「ならお役ごめんだな」
「いや」
「まだ何か?」
「…明日もお願いしていいかしら?」

ったくグレイシアちゃんてば俺が断らないこといいことに…
やっぱり彼女に戦争売ったら百戦連敗、まったくかないっこないほど俺ってばぞっこんなんだからな。
いいとも、明日もリクエストにお答えして頑張りますか、愛しいグレイシアちゃん!

-fin-

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